2025.12.24

太陽光発電をもっと有効活用する方法余剰電力を無駄にしない「V2H」という選択

家庭用太陽光発電は、かつて「発電した電気を売って収入を得る」ことが大きなメリットでした。
しかし近年、固定価格買取制度(FIT)終了世帯が増え、新規売電価格も下落。その一方、電気料金は25〜30円/kWh前後と高止まりしており、太陽光発電の価値は「売るより、使う」方向へ変化しています。

中でも注目を集めているのが、電気自動車(EV)に貯めた電気を家庭に戻して使える「V2H」の活用です。
太陽光 × V2Hは、余剰電力を無駄にせず電気代削減に直結し、災害などの停電時にも大きな強みを発揮します。

この記事では、太陽光発電の背景変化から、余剰電力をどうすべきか、そしてV2Hのメリットまで詳しく解説します。

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太陽光発電は今どう変わっている? 売電から「自家消費重視」へ転換

太陽光発電の環境は、FIT終了・売電単価下落・電気代上昇という大きな転換期に入っています。

晴天の下、屋根いっぱいの太陽光パネルと、家の前に停まったEV。エネルギーが家の中に循環しているような爽やかな風景。

従来の「売って得する」モデルが通用しにくくなり、余剰電力を家庭で活用する価値が高まっています。

FIT終了後の電力買取価格は3分の1以下に⁉

家庭用太陽光発電が普及し始めた頃、売電単価は高く、余剰電力を売ることで設備投資を回収することができました。

しかし現在は事情が変わっています。

固定価格買取制度(FIT)の10年買取期間が終了する家庭が増え、買取価格は大きく下落。
住宅用太陽光の新規FIT価格は2025年度で15円/kWh前後。FIT終了後の再契約では約7〜9円/kWhと、ピーク時の3分の1以下にとどまるケースが一般的です。

かつては売電収入で設備投資を回収できましたが、現在は「売っても儲からない」状況に変わっています。

太陽光で発電した電力は「売る」から「使う」へ

一方で、家庭の電気料金は再エネ賦課金や燃料価格高騰の影響を受け、25〜30円/kWh前後と高止まり。つまり今は、売電で収益を得るよりも、太陽光発電を「家庭で使う電力」に回したほうが、結果として家計にプラスになりやすい状況です。
太陽光の価値は、発電量そのものよりも「どう使うか」によって決まる時代に移行しています。

そもそも「余剰電力」とは? 発電した電力を「使いきれない理由」と現状

太陽光は昼間に発電のピークを迎えますが、家庭の電力消費が昼に集中しているとは限りません。共働き世帯など、昼間に家に誰もいない場合、消費量はごく少なくなり、その分が余剰電力になります。

かつてはこの余剰電力を売電することが一般的で、収入源として大きな存在感がありました。しかし売電単価が低下した今、「売っても儲からない」どころか、

●買う電気 = 約25〜30円/kWh
●売る電気 = 約7〜9円/kWh

という価格差が生まれ、「余剰電力を家庭利用に回したほうが節約になる」という逆転現象が起きています。

余剰電力の活用方法は2つ

余剰電力の扱いは大きく「売電」か「自家消費拡大」の二択。電気代の上昇が続く中、自家消費型への移行が、太陽光発電の価値を最大化する鍵になっています。

余剰電力の活用方法は大きく2つに分かれます。

1.今まで通り売電

売電は設備追加も手間もいらず、もっとも簡単な方法です。
ただし、売電単価が低下していることから、高い節約効果は期待できません。「売る」という選択は、太陽光設備をフルに活用しているとは言えない状況になりつつあります。

2.自家消費を増やす

発電した電力を家庭で消費し、電力会社からの購入電力を減らす方法です。
自家消費を増やす方法は主に2つ。

●昼間に電気使用量を増やす
例:食洗機、洗濯乾燥機、エコキュート稼働を昼にシフト

●余剰分を蓄えて夜間に使う
  例:家庭用蓄電池、電気自動車+V2H

特に後者は夜間の買電を大きく減らすことができ、月々の光熱費削減に結びつきやすい方法です。

電気料金単価が高い現在では、自家消費を増やした方が確実にメリットが高くなります。

太陽光発電の自家消費を増やす方法――蓄電池とV2Hを徹底比較

自家消費を拡大する代表的な方法が「蓄電池」と「EV+V2H」。それぞれに特徴があり、投資対効果や使い勝手を比較しながら導入を検討することが重要です。

項目家庭用蓄電池EV+V2H
容量5〜12kWh程度20〜60kWh以上(車種による)
導入コスト数十万〜百万円V2H機器+工事費で100万円前後(補助金で最大65万円軽減可能)
停電時の強さ数時間〜1日程度の生活電力を確保家丸ごと数日間稼働可能な場合もあり安心感が高い
設置スペース専用設置が必要EVがあれば追加スペース不要(V2H機器のみ)
メリット専用機器で安定運用、停電対策に有効容量が大きく、車の燃料費削減にも直結
デメリット容量が限られる、コストが掛かるEVが必要、初期投資が大きい
家の横にある小さな蓄電池ユニットと、大きなバッテリーを持つEVを対比させた、インフォグラフィック的な3D画像。

家庭用蓄電池

蓄電池は、家庭で使うための電気を貯めておける設備です。
昼間の余剰電力を蓄え、夜間に使うことで、電力会社から購入する電気を減らす効果があります。
停電時にも使用でき、エコキュートやIHクッキングヒーターなど、生活に不可欠な電力を確保できる点が大きなメリットです。

一方で導入コストは数十万円〜百万円以上になる場合が多く、本体容量にも限りがあります。住宅用で一般的な5〜12kWh程度では、「十分」と感じる世帯もあれば、生活するには「足りない」という声もあります。ポータブル電源を活用した簡易的な家庭用蓄電池という選択肢もあり、目的に合わせた選択が大切です。

電気自動車(EV)+V2H

電気自動車は、家庭用蓄電池と同じく電気を蓄える装置ですが、容量が圧倒的に大きいことが強み。普通車クラスなら40〜60kWh、小型車でも20kWh前後のバッテリーを搭載し、蓄電池よりも数倍の容量があります。

さらにV2H(Vehicle to Home)を導入することで、

●太陽光 → EVへ充電
●夜間や停電時 → EV → 家庭へ給電
という双方向の電力活用が可能に。

EVが「走る蓄電池」となることで、太陽光の電気を最大限無駄なく使うことができます。

発電した電力を最大活用! V2Hが選ばれる理由と仕組み

V2H(Vehicle to Home)とは、電気自動車と家庭を双方向に接続するシステムのこと。太陽光発電の余剰電力をEVへ充電し、必要な時に家庭へ給電できます。これにより、電力の流れを家庭内で循環させることが可能になります。

ガレージに設置されたスタイリッシュなV2H充放電器と、そこに接続されたEVのコネクタ部分のアップ。デジタルな光のラインが家へと伸びている。

そのメリットは多彩です。

1.余剰電力をしっかり使い切れる

昼に余った電力を夜間に使うことで、買電量を減らし電気代を削減できます。

2.車の燃料費が下がる

EVは太陽光で充電すれば、電気代もガソリン代もゼロ。電気代との比較でもコストを抑えられます。

3.蓄電池よりも容量が大きい

一般的なEVは家庭用蓄電池の数倍の容量。家丸ごと数日間稼働できる場合もあります。

4.災害・停電に強い

災害時、停電が長引いても生活電力を確保でき、安心感が高い。

5.EV普及が進み、導入しやすい時代に

EV購入と合わせて導入する家庭が増え、投資回収もしやすい環境が整いつつあります。

V2Hは太陽光発電との相性が非常に高く、売電依存から脱却し、電気を「家の資源」として活かせる選択肢です。

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V2H導入は、「補助金」を使ってお得に

V2Hを導入するには、機器本体と工事費が必要になります。ただし、国や自治体は家庭の脱炭素化を後押ししており、補助金が用意されています。

一例として、国の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」により、V2H設備費用+工事費で 最大65万円 の補助が受けられます。

自治体補助と併用可能で、導入費の負担を大幅に軽減できます。

ただし、補助金は年度や地域によって変動するため、導入を検討する場合は最新情報を確認することが大切です。補助制度を適切に活用すれば、導入費の負担を大きく削減できます。

太陽光×V2Hは「家計も災害対策も」強くする次世代のエネルギー戦略

夜、周囲は暗い中で、EVから給電されているその家だけが暖かく明るい光を放っている、安心感のある風景。

太陽光発電は「発電すること」が目的ではなく、「どう使って価値を生むか」が重要です。V2Hを導入すれば、太陽光の電力を家の中で循環させ、家庭の資産として最大限活かすことができます。

・売電価格に頼らない運用
・電気代の大幅削減
・停電時の自立性向上
・化石燃料に頼らない暮らし
・脱炭素への貢献

太陽光、EV、V2Hを組み合わせた家庭は、エネルギーを消費するだけではなく「つくり、貯め、賢く使う」次世代型の生活スタイルへと変化します。

まとめ

太陽光発電は「売電収入」から「自家消費による節約」へ価値がシフトしました。余剰電力を家庭で活用できれば、電気代削減・災害対策・脱炭素に貢献できます。

特にV2Hは、蓄電池より容量が大きく、災害にも強く、補助金で導入費も抑えられる現実的な選択肢です。太陽光発電を導入している、またはこれから導入する家庭は、「使って得する」時代に備え、V2Hによるエネルギー活用を検討する価値があります。

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