2023.07.07

気になる!V2H設置に必要な「費用」あれこれ

V2Hは、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の大容量バッテリーに充電はもちろん、バッテリーを蓄電池として利用できるようにするシステムです。電気代削減に貢献し、太陽光発電システムとの組み合わせでSDGsな暮らしを実現できることも注目されています。
そんな暮らしを便利に変えるV2Hの導入費用については気になる方も多いでしょう。

この記事では、V2H設置にまつわるさまざまな「費用」について紹介します。

V2Hとはどんなシステム?

「V2H」は「Vehicle-to-Home」の略。「乗り物(自動車)から家へ」という意味の通り、自動車と住宅の間で電力を相互にやり取りするシステムです。
このシステムでは、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)などの充電可能な車両を使用して、車載バッテリーの電力を住宅や他の建物に供給することが可能になります。

-V2Hでどんなことが可能になるのか

V2Hは、自動車のバッテリーに貯めた電力を家庭で使えるようにする仕組みです。たとえば、電力の需要が多い時間帯は車の電力を家に供給すれば電気代の節約にもつながります。
逆に、太陽光発電システムで発電した余った電力を車のバッテリーに充電することもできます。これによって、車のバッテリーは蓄電池としても活用でき、家庭や他の場所での電力バランスを調整するのに役立ちます。
またV2Hは、災害時などには、車のバッテリーを非常用電源として使って停電時も家や建物に電力を供給することもできる頼もしいシステムです。

V2Hシステムは、エネルギーの効率化や持続可能性を追求するための技術として注目されています。自動車と家庭のエネルギーを統合することで、スマートなエネルギー利用が可能になるのです。

V2Hを設置する際の工事費用

当社も含め他社においてもV2H機器の設置費用は、機種や設置場所の状態などさまざまな条件で変わってきます。あわせて、駐車場が自宅から遠い場合や追加のケーブルが必要な場合は、追加費用がかかります。

例えば、配線工事は木造やRC造など住宅の種類によって費用が異なるほか、分電盤の位置によっても別途費用が掛かります
それぞれの費用について、当社の場合を解説していきます。

-住宅の種類で工事費が変わる

各機器をつなぐ配線のための設備や経路がない場合は、配線ルートを確保するために住宅の壁に穴をあけることが必要になります。ひと言で穴をあけるといっても、住宅がどのような構造なのかによってその工事費が変わります。

・木造住宅の場合

従来工法による木造住宅の場合は、基本的に壁の内部に空間があるので、当社では木造住宅の壁に配線のための穴をあける工事費用はかかりません。
ただし、パネルを使用するツーバイフォー工法で建てられた木造住宅の場合は配線を敷くための工事が欠かせないため、工事費として【22,000円】をいただいています。

・RC住宅の場合

RC(鉄筋コンクリート造)住宅の場合は、工事費として【33,000円】をいただいています。

・鉄骨住宅の場合

鉄骨住宅の場合は、工事費として【55,000円】をいただいています。

-分電盤の位置

分電盤は、住宅に送られてきた電気を各部屋や機器へ分配したり、漏電や使い過ぎを防ぐ大切な役割があります。2Hを設置する際、V2H専用のブレーカーなどを新たに付け加えたり、V2Hと分電盤をつなぐケーブルを通す必要があるので、分電盤までの位置は重要です。

・1Fに分電盤が取り付けられている場合

1Fに分電盤が取り付けられている場合は、敷設するケーブルの長さはそれほど必要ないため、配線工事にかかる追加費用は発生しない現場がほとんどです。

・2Fに分電盤が取り付けられている場合

2Fに分電盤が取り付けられている場合には、追加工事費として【30,000円】が発生します。
また、V2Hから分電盤までケーブルを敷設する距離が長くなるケースが多いため、ケーブルの長さに応じた配線費用も掛かります。

・無線LANの有無

当社がおすすめしているニチコンの「EVパワー・ステーション」のプレミアムモデルは、主にスマートフォンで操作を行うため、ご自宅にWi-Fi環境が整っていない場合は、V2H通信アダプタ接続に必要な無線LANルータを設置します。
無線LAN環境の新設には別途工事費が掛かります。

V2Hを含め、当社で設置可能なシステムについてご紹介

アイコミュニケーションズではV2Hはもちろん、トライブリッド蓄電システムなど電気自動車を上手に活用し、生活を便利にする機器の販売・設置工事も行っています。

EVコンセント

当社がおすすめするパナソニックの住宅設置用「EVコンセント」は、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)を家庭で充電するためのコンセント。
一般的な家庭用コンセントよりも高出力で、EVやPHEVを短時間で充電することができます。また、屋外用と屋内用があり、設置場所に合わせて選ぶことができます。

ニチコン V2H「EVパワー・ステーション」プレミアム

ニチコン のV2Hシステム「EVパワー・ステーション」 プレミアムモデルは、電気自動車(EV)のバッテリーを家庭用電源として活用できるシステムです。EVのバッテリーに蓄えた電気を家庭に供給することで、電気料金を節約したり、停電時に電気を確保したりすることができます。
さらにEVの充電速度が速く、停電時の電力供給量が多いのが特徴です。また、スマートフォンで簡単に操作できるうえ安全性にも配慮されており、誤作動を防ぐための安全装置が搭載されています。

ニチコン トライブリッド蓄電システム

ニチコンのトライブリッド蓄電システムは、太陽光発電と電気自動車を組み合わせた家庭用蓄電システム。太陽光発電で発電した電気を蓄電し、夜間や日中でも電気を使用することができます。また、電気自動車を充電することもできます。
トライブリッド蓄電システムは、電気代の節約や、停電時の備えに役立ちます。

スマートエルライン ライト

スマートエルライン ライトは、停電時にHV車やPHV車、EV車のACコンセントから100V/1500Wの電気を供給できるシステム。高額なEV用パワコンの設置は不要です。近年、自然災害による停電が頻発しています。スマートエルラインライトは、停電時、太陽光発電や自動車から電気を使用でき、最低限の電源を確保できる製品です。

アイコミュニケーションズのサイトでは、お住いの住宅の種類や設置を希望する機器、分電盤の位置などを入力するだけで設置工事費用の総額をシミュレーションできます。ぜひ参考にしてみてください。

設置費用を抑えるためのポイント

V2Hの設置費用は、機器の価格や設置工事費などによって異なります。
正直なところ、V2Hの設置費用は高額になります。しかし、補助金を利用したり、自宅の電力使用量を抑えたりして、設置費用を抑えることができます。
V2Hの設置を検討している場合は、これらの施策を活用して、設置費用を抑えましょう。

-補助金や助成金を利用する

国や自治体では、再生可能エネルギーやエネルギー効率化の促進を目的とした補助金や助成金を提供しています。金額は機器や自治体によって異なりますが、数十万円の補助金を受け取ることができます。
これらの支援制度を活用することで、V2Hシステムの設置費用を軽減することができます。

-設置コスト削減のためにできること

自宅の電力使用量を抑えることで、V2Hの設置にかかったコストを回収することができます。
V2Hは、電気自動車から家庭の電力網に電気を供給することができます。そのため、自宅の電力使用量が多いほど、V2H機器の設置費用を回収するまでにかかる時間が長くなります。自宅の電力使用量を抑えるためには、省エネ家電の導入や節電対策を行うようにしましょう。

また、1Fの分電盤に近い場所にV2Hを設置できれば、配線工事の費用が抑えられるので設置場所の選定もコスト削減のための大切な施策のひとつです。

V2H×電気自動車のランニングコストは?

ガソリン車と電気自動車、どちらのランニングコストが優れているのか?という点は気になるところです。電気自動車と合わせてV2Hを導入した場合は、V2Hは普通充電器より充電速度などで優れているので、電気自動車の維持費はガソリン車よりも安くなる可能性があります。
では、V2Hと電気自動車、ガソリン車の維持費を具体的に比較してみましょう。

比較条件として、
・電気自動車・・・1kwで8㎞の走行が可能、1kwあたりの料金は27円
・ガソリン車・・・1ℓで20㎞の走行が可能、1ℓあたりの料金は160円
以上の条件で算出してみました。

単価 100㎞走行した場合
電気自動車 1kw=27円 (100÷8)×27=337.5円
ガソリン車 1ℓ=160円 (100÷20)×160=800円

電気自動車はガソリン車の半額以下で100㎞走行できることがわかりました!

次に、千葉・東京・神奈川に住む人の自動車の年間平均走行距離をもとに維持費を比べてみましょう。
年間平均走行距離は、国交省が「自動車燃料消費量調査」(平成28年度版)をもとに規制改革推進会議向けに作った、1台の自家用車が1日に走る平均距離(1日1車あたり平均走行距離)をまとめた都道府県別データを参考に算出することにします。

地域年間平均走行距離電気自動車ガソリン車
千葉7150.35㎞24,132円57,203円
東京5164.75㎞17,431円41,318円
神奈川 5624.65㎞18,983円44,997円

地域によって自動車の使用頻度は異なるものの、ガソリン車よりも電気自動車のほうが得だと言える結果になりました。

まとめ

これまでV2Hを設置するさまざまな「費用」について解説してきました。V2Hを導入する際の初期費用は高額ですが、電気自動車(EV)に貯めた電力を家庭で利用することで、停電時の備えや電気代の節約など多くのメリットがあります。

V2H導入には、機器の本体価格と設置工事費がかかります。機器の価格は商品によって異なり、工事費用は設置しようとする場所や住宅の種類、分電盤の位置によって変化します。

国や自治体によってはV2Hの購入・設置に対して「補助金」を支給しています。補助金を活用することで、初期費用の負担を軽減できるはずです。

当社サイトトップではV2H導入に際し「かんたん料金シミュレーション」ができます。現在、V2Hの設置を検討しているお客様は、ぜひ一度当社までご相談ください。資料請求や見積りのご依頼もお気軽にどうぞ!